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旅は道連れ シーン5

5.
キャメリアは、「うーん」と言いながら考えている。
「どうしたんですか? キャメリアさん。そんな顔して…。」
私はギルドホールの床の雑巾がけをしながら尋ねる。
ちなみにクロッカスはというと、狩りへ行くと言い放って少し前に出て行ってしまった。
「や、今倉庫の整理をしているんだけどね~。」
私はキャメリアの方へ駆け寄り、倉庫を覗き込んだ。
「うわぁ、色んな武器がいっぱい…!」
「そうなんだ。まだ使えなくもないんだけど、捨てようか迷ってて~。」
私は倉庫に並べられた武器や防具に見とれて、まじまじと眺める。
するとキャメリアは私をじっと見た後、思いついたように言った。
「そうだ! アイリスが着れる防具があるかも~。」
「えぇ、いいんですか!?」
「うんうん。私が昔付けてた防具で申し訳ないけど~。」
私はキャメリアに色々着させてもらった。
「どれもピッタリです!ありがとうございます。」
「君に合う武器はないけれど、素敵な弓を持っているから大丈夫だね。」
それは母に持たされた弓だった。
村を出る前に必死に弓の練習をしたけど、結局上手くできなかった。
腕の力がないためか、矢の速度も遅く命中率も低かった。
(強くなるために練習しないと…)
「キャメリアさん! 掃除が終わったら私、弓の練習してきます!」
「ん、大丈夫~? 何なら私が手伝うよ~?」
キャメリアは心配して私の顔を覗き込む。
「大丈夫です! キャメリアさんに頂いた防具もあるので!」
「ん…。分かったよ。危なかったらすぐ帰ってくるんだよ~?」
「分かりました!」
キャメリアはやれやれといった表情で倉庫の片づけをし始めた。
掃除が終わるなり私は、港街シュトラセラトから西に歩いた。
(どうして私はこんなに弱いのだろう…?)
ミルトリムの道でモンスターに襲われた時にも、何にもできなかった。
私は母から貰った弓をじっと見る。
母はこの弓は亡き父が使っていた弓だと言っていた。
そういえば、すごくパワーが秘められた弓だとも言っていた気がするけど…。
(そんな簡単に強くなれたら、苦労はしないよね。)
私は広野に生えてる木を的にして、弓矢の練習をすることにした。
――どれくらい練習しただろうか。
腕もかなり疲弊してきた。
太い木でとはいえ、10本中3本くらいは当たるようになってきた。
(…こんなんじゃ実戦で使えないなぁ。)
確かこの辺りのモンスターもそんなに強くはないはず。
(よし…。)
私は少し森の方へ歩いて実戦をしてみようと歩き出した。



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